臨床心理学者の河合隼雄さんが患者さんに言われた褒め言葉に「魂だけを見ていた」というのがあるそうです。
ある時、離人症性障害という、世の中に現実感を持てない患者さんの治療にあたりました。
数人のカウンセラーを回っても全く治らず、河合さんのところに来たそうです。
しかし、この患者さんは初めて会った時に「先生に会った時、この人で治ると思った」といいます。
なぜそう思ったのか?
この人はかなりきれいな人らしいのですが、部屋に入った瞬間、河合さんは服も顔も全然関心を示さなかったのです。
患者さん、「何も見ていないように見えた」、と。
では、話を聞いていたかというと、話の内容には全く注意を向けていないように思えたというのです。
では、何をしていたのか?その患者さんはこう言ったそうです。
「あえていうなら、もし人間に「魂」というものがあるとしたら、そこだけを見ておられました・・・」
カウンセリングで話を聞くときは、内容ではなく感情に焦点を当てて聞くといいますが、それだけを鍛えてきたんでしょう。相当なものですね。
内容ではなく、その裏にあるその人自身を全身全霊をかけて聞く。
聞くと一言でいっても簡単にはいかないです。
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